「!?」
闇にできた大きな隙間から、
瞬く間に光が差しわたった。
「全く、やっと見つけたぜ。レイナさんよぉ」
「探しましたよ」
光の向こうから現れたのは、
二人の少年だった。
虹色の笛-4-
「汝らは・・・」
「こんなところに空間作りやがって」
一人の少年は、背中にかけてある大剣を
軽々と抜き、”レイナ”に構えた。
「なぜ此処がわかった?」
レイナは、眉を寄せ少年に問う。
少年は、その整った顔を歪ませ、ニイと笑った。
びしり、とレイナを指差す。
「お前の持ってる能力は空間創作!
けど、お前の能力は完璧じゃあない。お前の・・・」
「あなたの創った空間には必ず隙間ができる。
それを見つけたんです」
「おまっ、ユウ!」
言葉を遮られ、怒り出した少年をよそに、
ユウと呼ばれた少年は、
レイナの後ろにいる”ルウ”を見つめた。
「あなたが、所有者ですね」
そう言って微笑む”少年”は、
まるで少女のように美しく、暖かく、
ルウを安心させた。
「大地は命を生み出しますが、
力は何も生み出さない」
その子はただの犠牲者だ。
悲しく伏せられた瞳は青く輝いていた。
ルウは我に返った。
この人達は、誰?
見たことの無い服装、瞳の色。
片方の少年が軽々と持っているのは
大人一人分の大きさの大剣だ。
絶対に自分のいた世界の人だとは、思えなかった。
「チッ」
レイナは舌打ちすると、ルウを眺めた。
「・・・っ」
ルウが身をすくめる。
「フン、」
一瞬にして消えた。
すると今までルウたちを包んでいた闇が消え、
辺りに草原が広がった。
「え、え?」
「ふー。あっぶなかったぜー」
少年は息を大きく吐くと、その場に座り込んだ。
ユウがその少年に怒ったように言う。
「だからちゃんと支度をしてから行こうって、
言ったじゃないか!ミツのせいだからね!」
「・・・。まあ所有者は無事だしいいじゃねえの!
さっさと帰ろうぜ」
緊張感の抜けたミツの言い分に、ユウは深いため息をつく。
それでも、少し納得したようで、「・・・まあ、そうですね」と言うと、
ルウの方へ向き直り、右手を差し出した。
「大丈夫でしたか?」
「・・・あ、え・・・」
差し出された手を必死に掴むと、
支えられながらもルウが立ち上がる。
「あ、僕はユウです。あっちはミツ。
よろしくお願いしますね」
ルウの心情を感じ取ったのか、
ユウが安心させるように微笑む。
それでもルウは怯えるように二人を見た。
それを見てユウは苦笑すると、
困ったように眉を下げて口を開いた。
「えと、怖がらせちゃいましたよね」
握っていた小さな笛を、もう一度強く握り締めると、
ルウは出しすぎて細々とした掠れ声を、
ようやく出した。
「所有者・・・って」
「ああ、それですか
”所有者”っていうのは、
この世界で特殊な能力を持つ人のことです。
能力って言っても、それは殆どが”物”なので、
それを持ってる人間を”所有者”って呼んでます。」
”所有者”は
『能力』という名の武器を唯一扱える存在。
その人間はこの世界のいたるところにいて、
他の次元に居るのは滅多にない。
そして自分達は、数少ない所有者の
最後の一人を探していた。
少年達は、そう言った。
「それじゃあ私は、その、”所有者”?」
「そういうことになりますね」
「あなたも?」
「はい」
「そこの人も?」
「そこの人って、お前・・・」
「はい」
「待て、ユウ。」
「他にも居ますよ」
「ちょ、待て。とりあえず聞け」
この人達についていくべきなのだろうか。
確かに、行くあてはない。
断って一人旅みたいなのをして、
またレイナに襲われるのも怖い。
―――選択技はないのか。
「・・・行きます。」
そっと、小さなため息をつき、ルウは言った。
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力は無を生み出すだけです。