「ユウ!笛の所有者が現れたって本当か!?」
大声で叫ぶ一人の少年に、ユウは眉を寄せた。
「ああ、本当ですよ」
一人の少年が使うには広すぎるほどの図書館は、
天井まで本で埋もれていた。
「それで!その所有者は!?」
パタン、と音を立て本を閉じると、
ユウはやっと少年を見た。
「もう少し静かにしてくれません?ミツ、
ここ図書館ですから」
「お、おお。悪い。・・・それで?」
困ったように眉を下げると、
ミツは声の調子を落とし、もう一度問いかけた。
「それが・・・見つかったんですけど・・・」
ユウはため息をついた。
虹色の笛-3-
何だよ、ため息ついて」
「見つかったんですけど、
その後すぐに気配が消えたんですよ」
またユウがため息をつく。
「はあ?どういうことだよ」
ミツも困惑したように言った。
「誰かに邪魔されたってことです」
それだけ言うと、ユウはまた本を開き、
ミツの顔が見えなくなるまで上に上げた。
ミツの表情が固まる。
「・・・まさか、レイナか?」
「その可能性もあります。
・・・けど、可能性だけです」
二人はため息をついた。
ルウは”学校”にいた。
「あ、れ・・・学校?」
見渡すと、人もいた。
だが、何かが現実と違っていた。
「・・・止まってる・・・?」
そう、”時間”が無かった。
「それはこれから汝が消える世界の結末だ」
「!」
振り返ると、少女がいた。
「汝が笛を渡さなければ、世界から時間が消える」
生きているけど、
世界が止まっていることに、気づけない。
「防ぐには、2つしか選択肢は無い」
「・・・」
「笛を渡すか、」
「汝が世界から消えるか」
「!」
ルウは目を見開いた。
”自分が世界から消える”?
「私、死ぬの?」
「死ぬのではない。
別の空間をさまようことになる」
”大丈夫だ。世界の汝の知人からは、
汝の記憶が無くなる”
そう言って笑んだ少女は、笑い方まで同じで、
気味が悪かった。
「その笛は”神”なのだ!!」
少女は誇らしげに言うと、軽く笑った。
「そして汝は”神の僕”!!
逆らうことなく一生神に仕える!!」
何だこの人は。
狂ったように笑い出した少女を見て、
ルウは思った。
「・・・だが己は違う。
その笛を扱うことができるのは己だけ」
まるで自分は特別だ、
とでも言うように少女は言った。
動けないルウはもがいていた。
――――絶対嫌だ。こんな奴に、
こんな奴に・・・!
”笛は渡さない!!”
「・・・?」
声が出ない。
まるで息だけを吐き出すように、口が動く。
「口は動いても声は出なくなったか」
蔑む様に笑う少女を見て、
ルウは腹が立った。
”何で私は、こんなことしてるの?
ただ私は普通でありたかっただけなのに!”
助けを求めたくても、声が無かった。
「さあ、笛を渡せ」
―――――ギギギギギギギギギ
「!?」
鋭い破壊音と共に、
闇に光が差した。
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神